うさこ観覧記

またブログ始めました。展覧会観て自分のために何か残さないとすぐ記憶が流れていくから。

マリアノフォルチュニの世界

三菱一号館美術館で開催中の「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展」のブロガー内覧会に行ってきました。※写真は特別に許可を得て撮影

 

まあなんといっても空間全体が素敵です。

 

豊かで多彩な展覧会。

ポスターのメインヴィジュアルはマリアノ・フォルチュニのデザインした「デルフォス」というドレス。てっきりフォルチュニはデザイナーで、絵画などは関連したものかと思っていたら、今回展示のドレスやコート、テキスタイル、絵画、版画、写真、舞台装置の設計図、舞台美術、照明ほぼ彼の作品。というわけで、とても多才な人物だった。そしてどれもこれも素敵なのだ。

ちなみに絵画と版画の一部はマリアノ・フォルチュニの父マリアノ・フォルトゥ二・イ・マルサル(1838-1874)の作品で(これもとてもいい)、父はスペインの有名画家。プラド美術館にも名品が。

 父の作品の模写も

マリアノ・フォルチュニ(1871-1949)はスペインのグラナダ生まれ。ただし1歳でローマに移り3歳で父を亡くしてパリに移る。その後居を構え活躍したのはヴェネチアで、ヴェネチアのアーティスト。いや発明家でもあって特許を取得してドレスやテキスタイルの工場や工房も経営販売していたビジネスマンでもある。会場にある照明もデザイン。アーティストで実業家で発明家と多才すぎて驚く。

 

本人は第一義に画家という認識だったそうだけど出品されてる版画もよいし写真もとてもいい。20世紀初頭の写真。写真好きの人も楽しいと思う展覧会。

あまりに多才でどれも見る価値あるけれどフォルチュニと言えば。

1907年に初めて作られた「デルフォス」。古代ギリシャの彫刻がデザインの源泉のドレス。

このプリーツの美しさ。実物を見た時の艶感とフォルム。ムラノ島の小さなとんぼ玉があしらわれ華やかで優しい。プリーツが水の流れでとんぼ玉が雫みたい。

まだコルセット全盛の時代にコルセットなしで美しさも兼ね備えたデルフォスはまたたくまに大流行したのだそう。わかる。100年たった今見てもモダンなデザイン。

見た目の美しさだけでなくとても軽くてくるくるっと捩じって巻いて箱に詰めて持ち運び。機能的にも優れている。

それにしても赤、黒、白、アイボリー、セイジグリーン、ピンク、紫と発色も美しく。更に、これほど多くのデルフォスが日本各地で所蔵されているのも凄い。とても繊細なドレスなので展示は入れ替え制とはいえ日本のデルフォス大集合の展覧会。

このシルクにプリーツは今はもう再現不可能な程の技術でクリーニングすらできない。

「ダウントンアビー」でメアリーがこの本物のドレスを着て撮影した逸話も展示してあったけど(見覚えある気が)クリーニングはどうしたのかは謎(^^;

シルクベルベットにプリントしたコートもまた素敵なのよ。ベルベットの質感とプリントの模様と発色。美しい上質感が。

羽織る上着で雰囲気の変わるデルフォス。このセイジグリーンと薄紫いい。それとドレスの背景にフォルチュニの絵画が見えてるのもいい。

 

フォルチュニが活躍した20世紀初頭のヴェネチアというのはヴェネチアビエンナーレやヴィエネチア映画祭が始まりヴェネチアが再び注目を浴び文化華開く都市になったころ、という説明を聞いてなるほどこの会場の醸し出す感じは時代の雰囲気でもあったのかと。マリアノフォルチュニが生み出す美しさで統一された世界、時代の雰囲気も堪能した。

マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展」は三菱一号館美術館にて10月6日まで。

素敵ばかり連発してるけど

ほんと素敵よ。

 

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ブロガー内覧会にて特別に許可を得て撮影。#マリアノフォルチュニ はデザイナー画家版画家写真家舞台芸術家発明家実業家...多才😵ポスターになってるデルフォス←プリーツのドレスの艶と形の素敵さ😍ダウントンアビーでメアリーも着てた