モネ夜間鑑賞会
横浜美術館で開催中の「モネ それからの100年」展の夜間特別鑑賞会に行ってきました。写真は夜間特別鑑賞会のため特別に撮影許可がおりました。
みんな大好きモネ!モネ展というとわっと人が集まるそうで、そういう自分もモネの名前に釣られモネ展?!じゃ横浜行こ!でやってきた。
ただし展覧会内容詳しく把握してなくて、メインビジュアル(上写真)がモネの睡蓮なんだからモネ作品と供にモネにインスパイアされた現代アート作品が後半ちょっと並ぶ、のかな?あくまでメインはモネという感じで来た。現代アートは少しは見るけどそれほど興味がある方ではなく。。。実際自分と同じような感じでこの展覧会に来た人多いんじゃないかと(^^;
でも、そういうんじゃないです。
がっつり現代アートの展覧会。出品作品数の90数点のうちモネは25点。点数でいうと少ない気がするが、これが不思議、観終わった後
嫌っていうほどモネ満喫したわ!
となる。
もう展示マジック(キュレーションの力)と思う。
会場入り口の様子
この群馬県立近代美術館の《睡蓮》、昨年群馬で見たときガラス無展示に驚き、細部までまじまじと観て、近年見た中でこれが一番好きかも!と思った作品が冒頭にあって最初からテンション上がる。
そして右の文章を読み、確かに抽象の先駆けと思ってはいたけれど果たしてそこまで(モネはあらゆる現代美術の生みの親)?このあとガッテン!となるか。。。
展示は4章構成で各章にモネ作品、それに呼応する(対決する?)現代アート作品が並ぶ。一緒に並んで違和感なし。章立ての切り口に納得して観てるからかと思う(それは見る人それぞれの判断)。
章立ては
Ⅰ新しい絵画へ 立ち上がる色彩と筆触
Ⅱ形なき物への眼差し 光、大気、水
Ⅲモネへのオマージュ(この章にはモネ作品なし)
Ⅳフレームを超えて 拡張するイメージと空間
表題の「モネそれからの100年」のそれとは、モネがオランジュリー美術館の《睡蓮》大作群ぐるっと睡蓮(と勝手に呼ぶ(^^;)を手掛けてからほぼ100年という意味だそう。※ブログ最後尾に年表
各章のモネ作品と共鳴する現代アート作品を鑑賞し、この章立てによって体系的に、自分がモネのどこが好きなのか、今までのなんとなく好き色が好き以上に、もう少し人に筋道立って説明できるくらいになった。それは、もともと思ってた色の喜びと(Ⅰより)、光大気水など遷ろう捉えどころのない何かを描いているところと(Ⅱより)、空や大気や様々なものが反射する揺らめく水面、空間に広がりを感じるところ(Ⅳより)。そもそも睡蓮という主題はそういう作品だった。切り取られた水面がフレームを超えて無限に広がっていく。
(あれ?でもモネは最終的にオランジュリーの大作に向かったということは、睡蓮の小さなフレームで無限の広がりを表すのでは満足できなかったんだろうか?最初みたときぐるっと睡蓮ならもうちょっと繋げて描けなかったのかな?キャンバスの制約なのかブツブツ切れてる感があると思ってしまった。もう何年も前であやふやなのでもう一度体感してみたい)
(そういうこと考えてたら、あの横浜美術館の正面入り口に掲げたモネの睡蓮を9分割にして掲げたパネルいいね!小さな睡蓮を拡大して9枚のパネルに。物理的な理由かもしれないけれどフレームを超えた広がりを感じる)
ちなみに、モネ作品のないⅢのオマージュが結構好きな作品が多かった 。Ⅰにあったルイ・カーヌ《彩られた空気》下写真左も。
というわけでモネの革新性を知り、魅力を更に深く感じられるモネ展だけど、しっかり現代アートにも魅せられて帰ってきた。
「モネそれからの100年」展は横浜美術館で2018年9月24日まで。
※モネ年表
モネカッコいいよね。
うるしの彩り
泉屋博古館分館にて開催中の「うるしの彩 漆黒と金銀が織りなす美の世界」ブロガー内覧会に行ってきました(写真は特別に許可を得て撮影)。
古いものから近代まで。東京初上陸多数とのこと。
右《誰ヶ袖図屏風》と左実物!
第一室は能とうるし、香道茶道とうるしなど、副題の”漆黒と金銀が織りなす美の世界”ままの豪華な展示品が並び、華やかな香箱などに目を奪われながら、やはり一番はこれ↓
原羊遊斎の椿蒔絵棗(下の方の赤い地に金銀の椿が一枝のモダンなうるし)。デザインは酒井抱一。こんな感じの椿の絵ですけどどうですか~?という抱一の書状と一緒に展示(左上の軸)。さらに、右には尾形乾山の椿図もかかっていて、椿の花のふんわりした柔らかさや葉の感じはここからか?と思わせる。キャプションによると抱一の箱書があり原羊遊斎も目にしたかも、とあった。乾山→抱一→原羊遊斎のつながり。
とにかく豪華な展示!!
抱一の下絵も抜群。とはいえ、このささーっと描いた風(^^;の下絵の本質を見事に立体化してる原羊遊斎も凄い。ちょうど「大名茶人 松平不味」展で原羊遊斎(1772-1845)が多く出ていたのを見た直後で、一気に興味高まる。まとまって展覧会あるといいなあ。
第2室はアジアの様々なうるしと日本の近代のうるし。今まで興味持ってなかった分野なのでこちらがまたどれも面白くて。
特に中国のうるし、螺鈿と彫漆。螺鈿も見応えあるけど特に彫漆!高価な漆を何重にも塗り重ねて彫れるほど塗り重ねて彫る(+_+)想像を絶する贅沢さ。さすが中国皇帝が愛したうるし。
展示されている長方形と円いお盆。黄色の漆でともに龍が彫ってある。黄色は皇帝のシンボルカラーで龍は皇帝のシンボル。トップレベルの2点なんだそう。
皇帝の龍は爪が5本だけど四角いお盆の龍の爪は4本。市場に出るときに5本だとアレなので(-_-;)4本に削られたためと。
元の螺鈿と明の彫漆、ともに消耗品だったため本国中国にはあまり残っておらず、逆に使わず宝物として大切にしてきた日本にこういうトップレベルの品があるのだと。なるほど。見ることできて良かったー!
それと、最後にもう一点お気に入り。これはうるしでなくて、明の唐子図螺鈿長方盆の横に展示されていた江戸時代の唐児遊図屏風。とにかく遊ぶ様子がかわいすぎ!(写真の一点撮りはできないので、是非会場で詳細を見てください!)
つながる日本美術というかメタモルフォーシスというか(^^;作品の楽しさと作品の並びの楽しさがある展示だった。
「うるしの彩り」展は、泉屋博古館分館にて2018-7-16まで。7月の3連休までなのね。もう一回落ち着いて観に行きます。
ジョルジュ・ブラックのメタモルフォーシス
パナソニック汐留ミュージアムで現在開催中の「ジョルジュ・ブラック展 絵画から立体への変容ーメタモルフォーシス」の内覧会に行ってきました。※写真は特別に許可を得て撮影
最近キュビスムに興味があるので楽しみにしていたら。。。
今回はジョルジュ・ブラック(1882-1963)の最晩年3年間に取り組んだメタモルフォーシスシリーズに特化した展覧会だった。キュビスム絵画を目当てにしてると、あれ?となるけど(導入部に展示あり)、ブラックが目指した全ての造形物の美化、最晩年の美の到達点の数々は見応えあり。美しい造形物やジュエリーに目がない人は是非に。
メタモルフォーシスとは変身、変容を意味し、メタモルフォーシスシリーズは主要モチーフの絵画(平面)を元に作られた、陶磁器、ジェリー、彫刻、ステンドグラスなどの(立体)作品のシリーズ。
言葉で説明すると、ん?なのだけど見れば一目瞭然。同じモチーフがお皿や壺や指輪や彫刻など形を変えながら繰り返し使われているので。
↓の会場内の解説映像はとてもわかりやすい。,《青い鳥、ピカソへのオマージュ》が様々な作品に変わっていく
↓この横顔と正面の顔の女性(ペルセポネ)の作品よかった
↑
陶磁器
ガラス
↑左の女性の横顔(キルケ)いい!
立体物で一番好きだったのがこのガラス彫刻。ブラックはドーム工房にガラス制作を依頼していたがブラックの死により作られず。その後2007年(ブラックの没後44年)に実現し17点の作品が制作され、そのうちの3点が来日。写真では伝えきれない美しさ。
このお魚さんたちもほんと美しいので会場で是非。
このジェマイユという手法(コクトーが命名ジェムとエマイユからジェマイユ!)で作られたステンドグラスも。ブラックの絵のステンドグラス。とてもいい!
好みでガラスやステンドグラスの写真ばかり撮ってしまった。しかし説明ではジュエリーが一番の見どころ!だそうなので(確かに美しいし造形的にも面白い)、ジュエリーについては会場で存分に見てください(^^;
それにしても。ブラックは最初キュビスムで平面に立体物を表現していたのが、最後は平面の絵画を立体物で表現する、になっていたのか。違うようで同じこと、かな?
そして没後何年経っても変身し続ける美というのもすごい。不思議な気分になる展覧会だった。
ジョルジョ・ブラック展 絵画から立体への変容ーメタモルフォーシスはパナソニック 汐留ミュージアムにて2018年6月24日まで。なんと5月18日博物館の日は無料みたい‼
宝物みたいなターナー
「イギリス風景画の巨匠ターナー風景の詩」の内覧会に行ってきました。東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館で現在開催中。※写真は特別に許可を得て撮影
まず、今回のターナー展はイギリス各地20か所の美術館と日本の美術館の作品で構成されていて、日本はともかく、ターナーを観るためにイギリス20か所なぞ巡れないので、もうそれだけでこの展覧会は行くべきと。
そして行ってみたら、今まで知らなかったターナーの新たな魅力も発見。個人的なターナー体験については↓に小さく(;^_^A読み飛ばしてください
ターナーが好きになったのはつい最近で2013年の都美館のターナー展。以前英国旅行で見たターナーについては、たくさんあるな、なんだかどれも黄色っぽくてもやっとしてるな、といったお粗末な感想で(-_-;)他に観たいものがたくさんあるので結構スルーしてしまった。それが日本の企画展で印象ががらりと変わる(興味範囲が広がったのと、知識が増えたのと、やっぱり日本で解説読んで、まとめてじっくり観たおかげ)。ターナーの多彩さと次々と新しい手法に挑戦していく様、絵自体が時代を先取りしてるなど驚きの連続だった。最後は時代超先取り抽象画のようになっていた!←先進的な絵の凄さって今の感覚で観るとわからないときある。今の感覚で観るとへんてこりんに見える司馬紅漢の絵の凄さとか
さて今回のターナー展では、ターナーの繊細な美しさ、風景の中の描かれた人々、そして宝物みたいな絵の数々を知った。
一つは「地誌的風景画」と紹介される初期の風景画。地誌的な絵画とは地形の特長が分かり描かれた場所が特定できるような記録的な絵画を指すそう。ターナーの絵は、目の前に広がる複雑な光景に人々の様子まで細かく描かれ、地誌的にも正しい、文字通り絵になる風景としてまとめあげてる。その力量。絵全体の美しさに見惚れた後、細部の人々の様子を見ていくと、またこれが楽しい。ターナーは生活する人々、働く人々に関心を持っていて絵に多く描きこまれているそうなので、これからターナーの絵を見るときは必ず風景の中の小さな人までじっくり観ようと思う。
ヴィニェット
そしてもう一つ、まさに宝物みたいな絵、「ヴィニェット」と呼ばれるもので、書籍の挿絵の形式の一つと解説にはあった(わかったようなわからないような?)。ターナーは白黒の版画になる前の下絵をカラーで描いていたということらしい。とても小さな作品で、近付いてみると豊かな色彩に細かい描写で一つの世界が描かれ、まさに宝石のような作品。もうこれは写真では絶対伝わらない美しさ繊細さ。何点もあるので(数えたら14点か)、これだけでも観に行った方がいいよ~と個人的に思う。
郡山市立美術館からは、このヴィニェットが実際版画になった作品が出品されており、いくつかの作品は並べて展示あり。それを見比べながら鑑賞できるのもよかった。版画は元絵の水彩画の美しさとはまた違った良さがあるのと、ターナーの版画はどれも完成度が高いのがわかる。ターナー自身が版画の芸術性を理解し重要性を意識して質にこだわっていたからと会場の解説にあった。
それと、この展覧会でたくさん出品されている郡山市立美術館(現在休館中で7月7日にこのターナー展の巡回で幕開け)はイギリス近代美術のコレクションに力を入れている美術館と。最近は東京以外の美術館のコレクション展を訪ね歩くの趣味(というか楽しみ)なので是非行かねば。
チラシに、《100%ターナー!第一級作品との贅沢な時間》とあったけど、まさにその通り。ほんと贅沢な時間だった。
ターナー風景の詩展は、東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館 (http://www.sjnk-museum.org/)にて7月1日まで。
このブログでは地誌的風景画とヴィニェットばかりとりあげたので、 最初と最後の写真に、みんな大好きターナー❤みたいな作品ももちろん揃ってるよ~を入れておいた。
追記
↓ この映画もよかった。ターナーの気難しい偏屈な感じも、ただただ絵に対して真摯だったこともわかって。因みに、今回の内覧会でターナーの人柄について、個性強く難しい人、成功した人を妬み思いあがった人(;^_^Aコックニーアクセントを使い続けエスタブリッシュじゃない部分を持ち続けた人。そして後世に多大な影響を与えた偉大な人物。という結び。映画でその一端が。
祝東京開催「木島櫻谷展」
泉屋博古館分館で開催中の「生誕140年記念特別展 木島櫻谷PartⅠ近代動物画の冒険」のブロガー内覧会に行ってきました。作秋より楽しみにしてました!
※写真は特別に許可を得て撮影
昨年京都の泉屋博古館で開催された木島櫻谷展。これは是非見たい!国宝展の雪舟週を諦めたら一緒に見られるけど。。。と悩んでいたところ、東京の泉屋博古館分館でも開催されることを知り、助かった~ありがと~東京で待ってます!という思い入れのある展覧会。
木島櫻谷(このしまおうこく)1877-1938
夏目漱石酷評の《寒月》で知った。
《寒月》
モノクロのようでいて深い青や緑の彩と、月の浮かぶマットなグレーの空(今でもどのような技法で描かれたか不明らしい)、雪に足跡を残す孤独な狐。痺れるような絵。
漱石先生なんで酷評?(;^_^A
《初夏・晩秋》
2013年開催の「夏目漱石の美術世界展」の特集雑誌を読んでいたら、酷評してるのは《寒月》だけでなく、「去年の鹿の絵は今思い出しても気持ち悪い鹿であった」という感想も。その気持ち悪い鹿(^^;の絵は《若葉の山》という作品らしく、米国個人蔵で今回は展示されていない。でもちょうど《寒月》の隣に《初夏・晩秋》という《若葉の山》よりは10年ほど前の同じく鹿の群れの屏風が展示されており、私などは、わー鹿親子かわいー♪と喜んでみていたのだが。。。
櫻谷の動物の絵、写実だけど妙に人間味あふれていて、現代の私たちが見るとそこが面白い、動物の擬人化かわいい、という感じ。でも夏目漱石にはなんだか薄気味悪いと映ったのかな?
とはいえ、文展で賞をとっているから漱石以外からは当時も評価された絵なのでそこまで毛嫌いする理由がやはり謎。
もともと動物絵画、中でもかわいい動物絵画が大好きなので、今回の展覧会は楽しくて楽しくて。さらに動物を描いた写生画もたくさん展示されており、これを一点一点眺めて顔ほころぶ。
そしてその中に京都市動物園の年パス!
まず大正時代に年パスがあったというのにびっくり。
そして絵柄が可愛すぎ❤今もこの柄にしたら大人気と思うよ。ほしいもの。
《角とぐ鹿》
下絵と並んで本作が展示されている作品もあり、どんな風に構想していったのか画面整理していったのかが見比べられる。贅沢。過去訪れた美術館で、下絵展示のキャプションに、下絵こそが見るべき情報量たくさんあってですねー、といった感じで書いてあって(きっと、なんだ下絵か、でスルーするお客様向けアピール)、確かに面白いけどできれば本作と並べて見比べてみたいなあと常々思ってた。今回それが実現。
《かりぐら》
ほかにもTVで紹介されていた新発見の大作《かりくら》(←飛び出す馬!)も出展されているし、そっけない猫もいいし、犬もかわいいし、狸の絵はやたらと心に残るし、動物絵画好きの人は行った方がいいよー。
なんでも4年前の木島櫻谷展が大反響で、新しい作品情報が多々寄せられ、第1室は95%が初公開!という驚きの展覧会なので。
心に残る狸
2/24~4/8までがPartⅠ近代動物画の冒険
4/14~5/6がPartⅡ木島櫻谷の「四季連作屏風」+近代花鳥図屏風尽し
なので、春までずっと木島櫻谷次々と楽しめそう。泉屋博古館分館は大きな美術館じゃないけれどPartⅠとPartⅡ合わせれば大展覧会と同じくらいの規模になるのでは。
とっても楽しみ!
木島櫻谷の狸の絵を見た後、実物に遭遇(^^;
昨日白金でタヌキ見ました😓こっち見てて固まった💦以前皇居のお堀歩いてるの目撃したことあるので、山手線の内側にも狸生息してるよね😅。 #自然教育園 #たぬき
黒いルドン花のルドン
三菱一号館美術館で開催中のルドンー秘密の花園展、ブロガー内覧会に行ってきました。※写真は許可を得て撮影。
オディロン・ルドン(1840-1916)
クロード・モネ(1840-1926)
幻想的な世界を描く象徴主義のルドン、印象派のモネと同い年だったのか。
以前から版画で描かれた黒いルドン(あの目玉おやじのようなものとか、この世のものでない世界)が気になっていて、このルドン展もどちらかというと黒いルドンが第一の興味。
それが。
鑑賞後はルドンの色彩にすっかり虜になり。
色の組み合わせとか余白の使い方とかとても好み。たぶん日本人好み。
今回の目玉はドムシー男爵の食堂装飾の壁画15点(オルセー美術館蔵)がやってきて、その装飾のメイン壁画である《グラン・ブーケ》(三菱一号館美術館蔵)と一緒に鑑賞できる!なのだが、本当のこというと、そのオルセーの壁画最初見た時、ぱっとしないなーと思ってしまった(グラン・ブーケはぱっとし過ぎるほどぱっとする(^^;)。
↑写真撮影可のコーナーにドムシー男爵の食堂壁画の再現あり。下の青い花瓶の花が《グラン・ブーケ》
しかし、これがまた、ゆっくりと近付いて細部をまじまじと見る。それから離れて全体に包まれるように見ると、とても滋味深く。
色合わせやモチーフ、その配置が絶妙で、かつ控えめさも兼ね備え、見ているうちに様々に見えてくるし、飽きがこない。ずっと見ててもいい。とにかく壁紙?として最高だ。
大きすぎるのは無理だけど、ちょうどよいサイズの《ひな菊》と《花とナナカマドの実》はポスターあったら家に飾りたい!と思ったら、なんとこの2点、アサイヤス監督の「夏時間の庭」に出てくる作品だった。なんか見覚えあるなーと思ったけど、たぶん映画で覚えてるんじゃなくて、どこかで見たような感じ感が出てるのだと思う。自分の内的世界で知っているような感じ。
↓《ひな菊》
↑内覧会の様子。余白の使い方塗り残しのお話、絵の中の赤い枝を探せ!(赤い枝が何かを象徴しているけど謎)などとても面白かった。バックが《花とナナカマドの実》
花瓶の花の絵という実物っぽいものを描いてあってもどことなく幻想的でこの世のものでない感じは、黒のルドンも花のルドンも一緒だった。
三菱一号館美術館の華として展示されている《グラン・ブーケ》を見るたびに、不思議な感じ神秘的な感じを受けるのもそういうことだったのかと、たくさんのルドンを見た後思った。それと不覚にも今まで気付かず、この巨大な作品がパステル画だったとは。パステルならではの発色の美しさ。そういえば昨年のパステル畫事はじめ展でもルドンの作品がひと際美しかった。
家に飾りたいのは、ひな菊とナナカマドだけど、作品として一番好きなのはMoMA所蔵の《蝶》。蝶が描かれたどこかで見たような夢の世界。でもこの世のものでない感じ。使われている色もすごく好き。
世界各国から絵が集められた展覧会。もうそれだけでうれしくなってしまう。岐阜県美術館からもたくさん作品が来ていて、ここのコレクションはルドンとルドンを巡る画家たちの作品が充実しているというのを今回知ったので、こちらも是非訪れてみたい。
ルドンー秘密の花園展は、三菱一号館美術館にて2018年5月20日まで。
↓ 「夏時間の庭」再見することにした(^^;
2017年スクリーンで観た映画
2017スクリーンで観た映画は126本。そのうちなんと一般公開の新作が42本しかなかった(^^;まあだいぶ見逃した感はあったけど、でも観た映画ほどんとがベスト級で結構充実していたから気付かず。観たい映画を厳選しているのと、話題になっているからこれだけは見とかないと、という42本なので観て失敗が入る余地なし(^^;もう何でもかんでも観てやろうの時期は脱し、これ傑作っぽいから酷い暴力シーンがあっても無理して見ておこうかなとかそういうのは止めた。今後もこんなペースで新作映画観ていければと思う。
残りの内訳は、毎年楽しみにしているeufilmdaysや東京国際映画祭、フィルメックスなどの映画祭で40本。
名画座やリマスター公開、旧作上映回などで44本。今年はこの旧作上映会が急に増えた。韓国文化院の韓国映画上映会に2017年から行くようになったこと、あともう一つ。サンシャワー展という東南アジアの現代美術の展覧会が森美術館と国立新美術館で夏に開催され、関連イベントとして東南アジア映画を数多く上映(美術展の半券で無料)という素晴らしい企画があり、今まであまりなじみがなかった東南アジアの映画を集中的に観ることができた。2017年の大きな収穫。
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- アシュラ
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- 細い目 新美2
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- ウィナー懲りない男の選挙ウォーズ
- エゴン・シーレ死と乙女
- 3人のアンヌ
- レオナルドダヴィンチ美と知の迷宮
- マリー・クロヤ―愛と芸術に生きて トーキョーノーザンライツフェスティバル
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- スノーデン
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