うさこ観覧記

またブログ始めました。展覧会観て自分のために何か残さないとすぐ記憶が流れていくから。

マイセン動物園❤

パナソニック汐留美術館で開催中の「マイセン動物園展」ブロガー内覧会に行ってきました。写真は特別に許可を得て撮影。ですが今回は普通に行っても撮影可の作品多しです!←嬉しい楽しい

以前マイセンに旅行した時の写真(アウグスト強王がマイセン磁器製作所を設立したアルブレヒト城)

というわけで、現地マイセンの磁器製作所にわざわざ見学に行くくらいなのでマイセン好き、というか日本の色絵磁器もヨーロッパの磁器も好きで(専ら見る方(^^;)今回のマイセン動物園展は予想通りというかそれ以上に楽しかった!

磁器の展覧会というとやはり器が中心。でも今回は動物というテーマに絞ったおかげで、色合いや形の造形美、彫像としての楽しさが存分に味わえ、かつかわいくて楽しさが増した感じ。

まずは博物館的大作も出ていますというところで。上写真のシャンデリアはお花が見どころ、かもしれないがちゃんと鳥ついてます。動物ついてます。動物がテーマの展示。

 

一番張り付いて隅々まで見たのが上写真2枚の《人物像水注「四大元素の寓意」》上から「地」と「空気」、「火」と「水」。駆け回る動物、飛び出す人物、どれもいい。

もうね。いろんな角度から撮りたくなっちゃう造形(これは撮影可でよかった!)。

 

やたらとこの魚出てくる。

作者のヨハン・ヨヒアム・ケンドラーは 、アウグスト強王が磁器で作った動物の動物園を作りたい(当時動物園は権威の象徴だった)、それを自分の東洋磁器コレクションを飾る日本宮に飾りたい、と命じられ動物彫像を作った人(ツヴィンガー宮殿の陶磁器コレクションに大型動物彫像が並ぶ)。なのでマイセンの動物彫像が芸術性を帯びたのはこの人のおかげか。

ちなみに、アウグスト強王が亡くなったことで日本宮は幻に終わりマイセン動物園も幻になってしまった。

でも。

ここ日本でマイセン動物園実現!

(アウグスト強王の野望とは違う形だけれど(^^;でも結構気に入るのでは?)

 

同じくケンドラー作のスノーボールシリーズ。最初ちょっとどうかなあと思って見ていて、でも見ているうちにだんだん好きになる不思議。

このシリーズとにかく小鳥がセットみたいで、小鳥いっぱい。

下写真↓中から小鳥がのぞいているので是非探して!

 

さて。個人的に一番心惹かれるアールヌーヴォーの動物たち。

アールヌーヴォーというと有機的フォルムの曲線を生かす様式なので、まずは植物を思い浮かべるけど動物を表すのにも有効。さらに、マイセンではイングレイズという釉薬の上絵を焼成時に釉薬の中に染み込ませる技法を使い、柔らかい色合いに仕上げ、この色合いと曲線が相まって独特な仕上がりに。

説明よりも実物を。

その色合いといい形といい、美しくしなやかで愛らしい仕上がりにうっとりする。

上写真のあたりは撮影不可(今回は会場風景として特別に許可を得て撮影)。

でも朗報。

一番愛らしいなあと思った猫ちゃんコーナーは撮影可(犬もかわいいけど犬コーナーは不可。是非実物を見に!)

どれかひとつと言ったら、上写真の2匹の猫かなあ。どれもかわいい。

解説では、ここにある猫ちゃんたちはほぼ20世紀に作られた猫なので既にペットの表情。

ただし、この上写真の構える猫ちゃん。緊張感あり。19世紀の猫なのでまだ人間に心を開いていないと(^^;確かに!

そういった微妙な表情も表現するマイセン彫像芸術。

 

最終章の締めはマックス・エッサーの動物。マックス・エッサーは20世紀のマイセンを代表する作家。

シンプルなアールデコ様式の動物彫像。

見返りかわうそ。 

 

今回出展された作品はなんと4人のコレクターと2つのギャラリー所蔵なので、今回見逃すとほぼ見られない逸品ばかり。 是非この機会に。綺麗なものかわいいものがたくさん。夏休みのこどもも楽しいと思います。

マイセン動物園展パナソニック汐留美術館にて9月23日まで開催中。

「白鳥皿」原型制作者不明

 

 

◆ご参考(以下はマイセン動物園展の写真ではありません)◆

ツヴィンガー宮殿の陶磁器コレクションにはアウグスト強王がケンドラーに作らせた白磁の大型動物彫像が並び、マイセン磁器製作所にもいくつか展示されていた。アウグスト強王の野望。こういう動物彫像で動物園を作ろうとは。。。みんな白一色なのがシュール

そしてマイセンのフィギュアはとても気軽に購入できる価格ではないので、ケンドラー作~と思っていたら、今回展示にあった同じ図象の色絵「白鳥皿」は原型制作者不明と記載されてた~のでケンドラー風(^^;の復刻白磁カップをおみやげにした。絵付けがないとおこずかいでも買えるお手頃価格。でもケンドラーの白磁動物の雰囲気が味わえる。