桜と一緒に華ひらく皇室文化
泉屋博古館分館にて開催中の「華ひらく皇室文化」展ブロガー内覧会に行ってきました。
美術館周りはもうすぐ満開の桜で華やいでおりました(2019年3月27日撮影)。
美術館前の太閤千代しだれ(醍醐の桜のクローン)は盛り過ぎ💦←来年のためにメモ(ソメイヨシノより早めなのね)
2018年は明治150年ということで今まであまり馴染みのなかった画家や工芸家を知る機会が多く(例えば野口小蘋など)帝室技芸員についての知識も増えたところで最期を飾る「華ひらく皇室文化」展。明治150年関連の展覧会の総決算みたいなものかと。
帝室技芸員とは、帝室(皇室)による美術工芸作家の保護と制作の奨励を目的として設けられた顕彰制度で、1890年~1944年までの55年間に陶磁、七宝、漆工、染織、金工、刀剣、絵画、彫刻、建築、写真、篆刻、図案といった分野で計79名が任命された。
皇室のための作品制作だけでなく、技術の保護と発展のためという目的があった。
今回の展覧会はこの帝室技芸員の作品「明治宮廷を彩る技と美」と、宮中晩さん会で使われる洋食器やドレスやボンボニエールなどの華やかな宮廷文化を紹介する「鹿鳴館の時代と明治宮殿」の2部構成となっている。
↓写真は撮影可の現代のボンボニエール(ミキモト製作)
ずらっと並んだボンボニエール(撮影不可だったので会場で楽しみにしてください。素敵でかわいい)が見どころ。
以下個人的に見どころ!と思ったものをいくつか(展示順)。
☆乾山伝七の洋食器
それまで和食器に平らなお皿というのがなかったため、形に歪みがあるけれど絵付けはとても繊細で美しい、日本製の最初期の洋食器。
☆矢澤弦月《昭憲皇太后像》
☆松岡映丘《明治天皇像》
対になっているのに背景の金地の色が違うと思ったら、皇太后は青い金、天皇は赤い金が使われていてそれぞれ月と太陽を表すという解説。
☆天鵞絨(びろーど)友禅嵐図壁掛 12代西村總左衛門
昨年こちらの美術館で開催された木島櫻谷展にて展示されていた櫻谷の若い時の作品《猛鷲図》が原画。まさか一年経ってから観られるとは。絵の感じと迫力だけは覚えているけど(うろ覚え)びろーど友禅という素材のせいか羽のしっとりした感じがとても美しく。
☆板谷破山《鮭》
重文の《葆光彩磁珍果文花瓶》ではなく←いやこれ本当に美しいのだけれど何回か見たことあるのでこっちじゃなくて《鮭》。というのも、板谷波山が東京美術学校木彫科を卒業というのは知っていても木彫作品見たことなかったのでレア度で。
☆濤川惣助の《月花図七宝皿》《月桜図七宝額》《墨画月夜深林図七宝額》
どれもうっとりと見惚れてしまう。特に最後の月夜は300種の釉薬で黒の濃淡を表現とあってもう言葉なし。これは。。。としかいいようなく。水墨画のようでまた別の次元にいってしまっているようで。
野口小蘋もあった。前期《春山明麗図》と後期《蘭亭図》と入れ替えなので後期も行かなくては!
「明治150年記念 華ひらく皇室文化 明治宮廷を彩る技と美」展は泉屋博古館分館にて前期は4月14日まで、後期は4月17日から5月10日まで。
同時期に学習院大学史料館でも「華ひらく皇室文化」展開催中(こちらは5月18日まで)なので併せて観に行かないと(ちなみにこちらは入場無料!)。
泉屋博古館分館近くのアークヒルズの桜。ほんと桜散策にいい季節。