うさこ観覧記

またブログ始めました。展覧会観て自分のために何か残さないとすぐ記憶が流れていくから。

かわいい青銅器

泉屋博古館分館で開催中の「神々のやどる器 中国青銅器の文様」展ブロガー内覧会に行ってきました。※写真は特別に許可を得て撮影

 

中国青銅器の世界というと器の種類がいろいろあってさらに器そのものの漢字が難しくて(^^;敷居が高く長らくスルーだった。それが数年前に東博東洋館のイベントで青銅器の見方というのに参加してから興味持つようになり。その時は文様から顔を探そう(顔面文様を見つける)という解説を聞きながらで苦手意識も飛んで楽しかった(文様から入るのいい)。

そして今回の展示は解説聞きながらじゃなくても一目で楽しい。

ぱっと見ではわからない隠れた文様が一目でわかる写真が一緒に展示されてるから。これいいね!

 

まず文様を探してから答え合わせするのもいい。こども楽しいよ絶対。

 

そして文様探しの白眉はメインビジュアルにもなってるこれ。

人が食われる直前か?!とよく見たらほほえましい顔してる。人がしがみついててまるでトトロ。なので《虎卣こゆう》のことをトトロと呼ぶ。

名前から判明。これは虎なんだそう。巨大猫っぽくもあるけど、虎型神様(トトロ)に守られる人間。

このトトロは頭の上に鹿も載せてて合体したブレーメンの音楽隊のようでもある。かわいい。全身に龍や蛇やバクやららあるし、後ろ姿には顔面(饕餮とうてつ)まで。

会場には「商周青銅器の文様」という初心者にもわかりやすい青銅器の文様についての解説があって、それによると

1.饕餮文(とうてつもん) 器の表面に大きく顔面文様。探すと目、鼻、口、耳、角などわかる。冒頭述べた東博のイベントで探したのがこれ

2.龍形文様 文字通り龍の文様(皇帝といえば龍だけど原点は青銅器だったんだ)

3.鳥形文様 小鳥から鳳凰の原型となった大鳥まで(鳳凰も青銅器からなんだ)

4.その他の動物文様

文様だけでなく、トトロが虎だったように器そのものが動物の形をしている青銅器がとにかくかわいい。 

一番かわいいのはこのミミズク↓《戈卣かゆう》

愛らしい。根津美術館の看板娘的な《双羊尊》←羊の顔が2つついてる青銅器、と同じように背中合わせにミミズクの顔が2個

またその表情がとぼけてていいし、たたずまいもかわいい。どうもそのかわいらしさは足が内股のせいらしい。

そのかわいい子が2個も。ミミズク4羽ってことか。泉屋博古館すごい。

たたずまいといえば、これ↓かっこいい。

 

ここで年表見ながら面白いなあと思ったお話をおさらい。

中国の青銅器は3500年以上前に誕生。商周の時代の青銅器はお祭や儀式のためのもので文様も神様である動物がモチーフ。それが漢時代のごろから青銅の鏡がたくさん作られるようになると吉祥文様に変わる。秦時代に官僚制がしかれ、それまで政治と祭りが密接な支配者のための青銅器が官僚クラスの個人のものになり、文様も個人の幸せ追及のためのモチーフになった。不老長寿だったり昇進だったり。

展覧会場第2室は、青銅器の鏡を展示(鏡は個人のラッキーアイテムだったんだね)。

↑大丈夫。鏡の文様を探せ!も詳細な解説パネル付き。イノシシかわいい。

 

形も文様も奥深いから敷居が高く解説がないとなかなかなあと思ってた青銅器の世界、ただただ文様の細かさ美しさを愛でるだけでもいいし、なんだ鏡は出世を願うラッキーアイテムだったりしたのか、と思ったり、単純に形がかわいい!動物文様探すの面白い!といったいろいろな楽しみ方を教えてくれる展覧会だった。

こどもが行くと楽しいと思う。歴史の勉強にもなるし(中国の歴史覚えるの面倒でしょ。青銅器に興味持ちながら楽しみながら覚えるといいと思う(^^;)。

神々のやどる器 中国青銅器の文様」展は泉屋博古館分館にて12/24まで。美術館前の泉橋のクリスマスイルミネーションやってるのでちょうど見頃。

あ、それと美術館入り口、なんでこんな所に顔出しパネル?と思ったら、展示を見てわかった(^^;あなたも虎型神様にいだかれ守ってもらおう!