うさこ観覧記

またブログ始めました。展覧会観て自分のために何か残さないとすぐ記憶が流れていくから。

うるしの彩り

泉屋博古館分館にて開催中の「うるしの彩 漆黒と金銀が織りなす美の世界」ブロガー内覧会に行ってきました(写真は特別に許可を得て撮影)。

古いものから近代まで。東京初上陸多数とのこと。

右《誰ヶ袖図屏風》と左実物!

第一室は能とうるし、香道茶道とうるしなど、副題の”漆黒と金銀が織りなす美の世界”ままの豪華な展示品が並び、華やかな香箱などに目を奪われながら、やはり一番はこれ↓

原羊遊斎の椿蒔絵棗(下の方の赤い地に金銀の椿が一枝のモダンなうるし)。デザインは酒井抱一。こんな感じの椿の絵ですけどどうですか~?という抱一の書状と一緒に展示(左上の軸)。さらに、右には尾形乾山の椿図もかかっていて、椿の花のふんわりした柔らかさや葉の感じはここからか?と思わせる。キャプションによると抱一の箱書があり原羊遊斎も目にしたかも、とあった。乾山→抱一→原羊遊斎のつながり。

とにかく豪華な展示!!

抱一の下絵も抜群。とはいえ、このささーっと描いた風(^^;の下絵の本質を見事に立体化してる原羊遊斎も凄い。ちょうど「大名茶人 松平不味」展で原羊遊斎(1772-1845)が多く出ていたのを見た直後で、一気に興味高まる。まとまって展覧会あるといいなあ。

 

第2室はアジアの様々なうるしと日本の近代のうるし。今まで興味持ってなかった分野なのでこちらがまたどれも面白くて。

特に中国のうるし、螺鈿と彫漆。螺鈿も見応えあるけど特に彫漆!高価な漆を何重にも塗り重ねて彫れるほど塗り重ねて彫る(+_+)想像を絶する贅沢さ。さすが中国皇帝が愛したうるし。

展示されている長方形と円いお盆。黄色の漆でともに龍が彫ってある。黄色は皇帝のシンボルカラーで龍は皇帝のシンボル。トップレベルの2点なんだそう。

皇帝の龍は爪が5本だけど四角いお盆の龍の爪は4本。市場に出るときに5本だとアレなので(-_-;)4本に削られたためと。

元の螺鈿と明の彫漆、ともに消耗品だったため本国中国にはあまり残っておらず、逆に使わず宝物として大切にしてきた日本にこういうトップレベルの品があるのだと。なるほど。見ることできて良かったー!

それと、最後にもう一点お気に入り。これはうるしでなくて、明の唐子図螺鈿長方盆の横に展示されていた江戸時代の唐児遊図屏風。とにかく遊ぶ様子がかわいすぎ!(写真の一点撮りはできないので、是非会場で詳細を見てください!)

 つながる日本美術というかメタモルフォーシスというか(^^;作品の楽しさと作品の並びの楽しさがある展示だった。

 「うるしの彩り」展は、泉屋博古館分館にて2018-7-16まで。7月の3連休までなのね。もう一回落ち着いて観に行きます。