うさこ観覧記

またブログ始めました。展覧会観て自分のために何か残さないとすぐ記憶が流れていくから。

黒いルドン花のルドン

三菱一号館美術館で開催中のルドンー秘密の花園展、ブロガー内覧会に行ってきました。※写真は許可を得て撮影。

 

オディロン・ルドン(1840-1916)

クロード・モネ(1840-1926)

幻想的な世界を描く象徴主義のルドン、印象派のモネと同い年だったのか。

以前から版画で描かれた黒いルドン(あの目玉おやじのようなものとか、この世のものでない世界)が気になっていて、このルドン展もどちらかというと黒いルドンが第一の興味。

それが。

鑑賞後はルドンの色彩にすっかり虜になり。

色の組み合わせとか余白の使い方とかとても好み。たぶん日本人好み。

今回の目玉はドムシー男爵の食堂装飾の壁画15点(オルセー美術館蔵)がやってきて、その装飾のメイン壁画である《グラン・ブーケ》(三菱一号館美術館蔵)と一緒に鑑賞できる!なのだが、本当のこというと、そのオルセーの壁画最初見た時、ぱっとしないなーと思ってしまった(グラン・ブーケはぱっとし過ぎるほどぱっとする(^^;)。

↑写真撮影可のコーナーにドムシー男爵の食堂壁画の再現あり。下の青い花瓶の花が《グラン・ブーケ》

しかし、これがまた、ゆっくりと近付いて細部をまじまじと見る。それから離れて全体に包まれるように見ると、とても滋味深く。

色合わせやモチーフ、その配置が絶妙で、かつ控えめさも兼ね備え、見ているうちに様々に見えてくるし、飽きがこない。ずっと見ててもいい。とにかく壁紙?として最高だ。

大きすぎるのは無理だけど、ちょうどよいサイズの《ひな菊》と《花とナナカマドの実》はポスターあったら家に飾りたい!と思ったら、なんとこの2点、アサイヤス監督の「夏時間の庭」に出てくる作品だった。なんか見覚えあるなーと思ったけど、たぶん映画で覚えてるんじゃなくて、どこかで見たような感じ感が出てるのだと思う。自分の内的世界で知っているような感じ。

↓《ひな菊》

↑内覧会の様子。余白の使い方塗り残しのお話、絵の中の赤い枝を探せ!(赤い枝が何かを象徴しているけど謎)などとても面白かった。バックが《花とナナカマドの実》

 

花瓶の花の絵という実物っぽいものを描いてあってもどことなく幻想的でこの世のものでない感じは、黒のルドンも花のルドンも一緒だった。

三菱一号館美術館の華として展示されている《グラン・ブーケ》を見るたびに、不思議な感じ神秘的な感じを受けるのもそういうことだったのかと、たくさんのルドンを見た後思った。それと不覚にも今まで気付かず、この巨大な作品がパステル画だったとは。パステルならではの発色の美しさ。そういえば昨年のパステル畫事はじめ展でもルドンの作品がひと際美しかった。

家に飾りたいのは、ひな菊とナナカマドだけど、作品として一番好きなのはMoMA所蔵の《蝶》。蝶が描かれたどこかで見たような夢の世界。でもこの世のものでない感じ。使われている色もすごく好き。

世界各国から絵が集められた展覧会。もうそれだけでうれしくなってしまう。岐阜県美術館からもたくさん作品が来ていて、ここのコレクションはルドンとルドンを巡る画家たちの作品が充実しているというのを今回知ったので、こちらも是非訪れてみたい。

ルドンー秘密の花園展は、三菱一号館美術館にて2018年5月20日まで。

 

 ↓ 「夏時間の庭」再見することにした(^^;

夏時間の庭 [DVD]

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