うさこ観覧記

またブログ始めました。展覧会観て自分のために何か残さないとすぐ記憶が流れていくから。

同時代の画家を一緒に観るっていいね!カンディンスキーとルオー

「表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち」のweb内覧会に行ってきました。※写真は特別に許可を得て撮影

今回のweb内覧会ではSNSで登録してブロガーとしては登録せず。でも、とても見応えあってTwitterInstagramだけではなんだか言い足りない感があったのでブログにしてみた。

(と言いながら、内覧会直後に国宝展や長澤蘆雪展や奈良に行ったり東京国際映画祭が始まったりでブログにするのだいぶ遅れてしまった(;^_^A)

 

パナソニック汐留ミュージアムは、マティスとルオーとか、モローとルオーとか、〇〇とルオーシリーズ毎年開催されているみたいで、実をいうとルオーよりもマティスだったりモローだったりに興味があって毎回観にいくのだけれど、行くと必ずと言っていいほどルオーいいね!で帰ることに。

たぶん、汐留ミュージアムがルオー推しなので毎回いいルオー( ´艸`)が揃うからなんじゃなかろうか。同時代の様々な作家とルオーを比べることでルオーへの理解がより一層深まるしかけなのでは。〇〇はあくまで囮説(笑)

それが。

今回はちょっと違った。

もちろんいつも通りいいルオーも揃ってた。特に海外からの《ヒンデンブルク》という作品。有名なナチスを招いてしまったヒンデンブルク肖像画。外見も似ているけどそれを越えて本質を捉えてて唸ってしまう。

そして、ルオー以上に今回はカンディンスキーが充実してる。カンディンスキーの画業を俯瞰できる3作品が展示され、カンディンスキーの理解も深まる。更に言うとクレーも。更にドイツ表現主義の画家たちも充実。

これらは全て宮城県美術館の所蔵作品ということにも驚いてしまう。

コレクション|特色 - 宮城県公式ウェブサイト

を見ると、カンディンスキーとクレーのコレクションが特色の一つと。一度だけ訪れたことあるけど是非再訪してドイツ表現主義の特集展示など見てみたいと思う。ちなみにカンディンスキーの重要作《商人たちの到着》も《活気ある安定》も今は汐留に来ているので、今は汐留にGO!

なんといっても魅力的だったのが展覧会のメインビジュアルにもなってる《商人たちの到着》。遠くから見ても良いし、近づいて、色の組み合わせ、色の大きさ、色そのものの美しさ、まさに色の冒険者という言葉がぴったり。色だけでなく形も魅力的で、遠景のロシアの玉ねぎ建物と城壁、木々、帆船、近景の壺まで見ていて飽きない。

https://www.instagram.com/p/BauCXBAn_OK/

抽象のカンディンスキーに宗教のルオー?はて?と行ってみると。同時代に交錯する両者の重なる部分に👀おお!!そして離れていくの。見応えあった。 #色の冒険者たち #パナソニック汐留ミュージアム ←Instagram

(ちなみに、展覧会の最後に自撮りコーナーがあって、この絵で自撮り写真を撮影してダウンロードできるサービスあり)

 

《「E.R.キャンベルのための壁画No.4」の習作〈カーニバル・冬〉》も素晴らしく。今回の展示では、当時カンディンスキーのパートナーだったカブリエーレ・ミュンターの《抽象的コンポジション》(横浜美術館所蔵)というどこか可愛らしい絵(写真右の絵)が隣同士に並ぶという夢の競演も。カンディンスキーの絵が1914年、ミュンターの絵が1917年作なので約100年ぶりの絵の再会。

 

《活気ある安定⦆(写真右)はいかにもカンディンスキーな絵。←実をいうと、こういう抽象絵画はあまり興味なかったけれど、なるほど初期の《商人たちの到着》、そして《カーニバル・冬⦆を経てたどり着いたところがここなのですね。と思うと、今までと違った興味がわく。

カンディンスキーのことばかり書いてしまって、ルオーとの接点や比較について書く余裕がなくなってしまった。大雑把にいうと、題名にあるようにカンディンスキーもルオーも色の冒険者で、同時代の同じ空気の中で表現を求め、同じようモティーフで絵を描き、その後カンディンスキーは抽象を、ルオーは宗教を極めていくけれど、ルオーの中にもまるで抽象画のような表現もあるし、ぱっと見ると共通点はないようでいて、やはり両者とも最後まで色の冒険者だった、そういう流れかな。端折り過ぎたけど(;^_^A

 

マックス・ペヒシュタインの《われらの父》。これは展示替えありで続きも是非見たい。

いいクレー( ´艸`)もたくさんありで、とにかく見ごたえある内容で、もう一度じっくり観に行く予定。

「表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち」展は2017/12/20までパナソニック汐留ミュージアムで開催中。