うさこ観覧記

またブログ始めました。展覧会観て自分のために何か残さないとすぐ記憶が流れていくから。

家や暮らしは生き方そのもの

パナソニック汐留ミュージアムで開催中の「日本、家の列島」展のブロガー内覧会に行ってきた。※特別な許可を得て写真撮影をしています。

建築は明治大正昭和の洋館とか近代建築とか有名処を観るの好きだけど、こういう一般住宅それも今人が住んでる現代の住宅についてどうかなあと思いながら、ヨーロッパで好評だった巡回展の帰国展(こういうのに弱い)で参加を申し込む。展覧会の企画者の話が聞けるというのも興味があった。

副題が「フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン」とあり、これは最近テレビで多々流れ、もう勘弁してほしいと思ってる日本スゴイ系か?!と身構えてしまったが、まあ副題通り、展覧会の企画者がフランス人4人で、この人たちが驚いた日本の住宅なのだからその通り。

そして驚くという言葉は、日本の独特な住宅建築事情、日本人の住宅への想いや内と外の感覚、実際住んでる様子など生の日本の住宅とそこに暮らす人を観た素直な感想で、所謂日本スゴイが好きな人の日本人としての自尊心を満たすための言葉では決してなかった。

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内覧会では、4人のフランス人企画者の解説もあり、そこで話されていたのは、ここで取り上げた建築の数々が普通の人、有名人や超セレブな人でなくごく一般の人の家だというのがユニークなことらしい(とはいえ、一般庶民の日本人の感覚からいうと、いくら狭い土地であっても建築家に頼んだ戸建て注文建築に住む人たちというのはだいぶ恵まれた階層かと思われるが)。

会場構成は3章立て。

第1章が20世紀までの有名な日本の家の紹介「昨日の家」

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私でも知っている名前と聞いたことある家が同じ縮尺の模型と写真でずらっと並んでてひとつずつ観るのが楽しかった。

第2章が「東京の家」

東京にある有名建築家が建てた住宅の写真、街に溶け込む住宅の外観を写し出し、東京の街の様子の写真展として見ごたえがある。

第3章が「今の家」

これがメインで建築家の建てた20の家を写真、映像、ドローイング、スケッチ、模型、そこに住む人と建築家へのインタビューで多角的に展示。

素人の私が一番わかりやすかったのは映像で、そこに住む人が自然な形で家で暮らす様子を写す短いドキュメンタリー。これは会場内の映像の家でまとめて見ることもでき、この不思議なドキュメンタリー(淡々と家で暮らす人々)は観ていて飽きなかったし家の特徴がすぐにわかる。※渡辺篤史の「建もの探訪」みたいに身構えた住む人がインタビューに答えたり大げさに驚いたりはしない。

こうしてフランス人からの視点で日本の家について知ることは、日本独特の風習というか暮らし方や文化を新しい目で見直すことにもなるし、家や暮らしというのは生き方でもあると改めて考えたりもした。最近家での暮らしがないがしろになってたから。

「日本、家の列島 フランス人が驚くニッポンの住宅デザイン」展はパナソニック汐留ミュージアムにて2017年4月8日(土)~6月25日(日)まで。

https://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/17/170408/index.html