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うさこ観覧記

またブログ始めました。展覧会観て自分のために何か残さないとすぐ記憶が流れていくから。

洋服を愛でるということ

三菱一号館美術館の「PARISオートクチュール世界に一つだけの服」展。

既に展覧会に行った人の照明が暗いという感想をいくつか見ていて、確かに明るい光の中で細部が見たい!と思ったけれど、オートクチュールのドレスは古美術品と同じく繊細で、照度を上げられない、既にマネキンに着せることすらできない服もある(そういうのは正倉院展のように平場に展示される)、マネキンでの展示は今回が最後かもしれない服もある、と聞くと、この展示でも仕方ないかと。それを補っても余りある展示方法として、マネキンもフランスから、ドレスに合わせて体の膨らみ部分を一着一着調整して、服にぴったりフィットして一番洋服が美しく見えるようにセッティングされているそう。これはポイント。

同時期に世田谷美術館で開催されていた「ファッション史の愉しみ」展は本展覧会に比べ明るい照明でドレスが見やすいというツイートを見たけれど、そもそも展示に耐えうるものとそうでないものとの違いかと思ったし、更にいうとマネキンにフィットしてないがばがばしてるものもあり、三菱一号館の展示の凄さを改めて感じた。

ただし、「ファッション史の愉しみ」展は紙のファッションプレートの展示が主で、服の展示はあくまで参考扱いかと思うし、このファッションプレートが質量とも素晴らしくて(図録欲しかったけれど売切れ)、好みでいうとこちらの展覧会の方がずっと面白かった。あくまで個人的好み。

オートクチュールとは無縁に生きているので、ほぼ一回しか着ないドレス、とはいえ身近といえば身近な洋服をどのように鑑賞して良いものか最初は戸惑った。時代の雰囲気を感じればいいのか?しかし今でも通用するモダンさだし。一周見て最後の小部屋に職人の手の写真が並べられていて、そうか!一点一点の職人の手仕事というのを愛でればいいのか!と気付く。トータルでパッと見て美しいシルエットを愛で(ここでこだわりのマネキン展示が生きる)、細部の刺繍とか羽細工とかの職人技を愛でる。トーハクで着物展示を観る時と同じ(笑)。

今回一番好きだったのがバレンシアガのピンク色のドレス。バレンシアガはどれも本当にうっとりだった。

この展覧会はパリで開催されたものを日本向けに少しアレンジしているので、日本だけ展示のドレスがいくつかあり、そのうちの一枚がこのピンク色のドレス。日本というと桜で選ばれたそうで、まるで枝垂桜のようにも見えてうっとりだった。

それで思い出して、昔庭園美術館で開催された「パリ・モード1870-1960華麗なる夜会の時代」展図録を見てみたら、やっぱりバレンシアガのドレスはどれも素敵だった。

そして、こっそり思ったのは、今回の展覧会も庭園美術館だったらもっと素敵だったのに!